さて改めて
セインツロウ2である。
前作のセインツロウは当初PS3、箱○で発売予定だったがPS3版は発禁となった、GTAライクなギャングクライム系箱庭アクションである。
色によって勢力の分かれたカラーギャングを題材にしたという点でGTASAと同等の世界観を有しており、世界観もシステムもGTAのモロパクリと言われながらも、丁寧でユーザーライクなシステムに多くのファンが付く事になる。
さらに元祖暴力系箱庭ゲームの最新作である『GTA4』がグラのほうに力を入れ過ぎて、ファンが面白いと思っていた部分や望んでいた方向とズレ始めて映画ライクになって行くという
ファイナルファンタジー化現象を呈し、
それに対して今作セインツロウ2はGTAファン達が望んでいたバカでゲスで暴力的な部分をきっちり強化してきた為、元来のGTAファン達からも今やGTAの正式な続編はこっちだ等と皮肉を言われる始末である。
私もGTAは1からハマってきた筋金入りのファンであるが、GTA4を友人宅で触った所、
FF10-2を初めて見た時のような残念なキモチになった。
私がGTA最新作に望んでいたのは、初代GTAで坊主集団をまとめて轢いたら
「南無阿弥陀仏」と表示されたり、
時速60km/hに速度を落としたら爆発してしまう車に乗ってしまうミッション等、そんなGTAっぷりだったのである。
そんな中、私がGTAに望んでいたものを全て詰め込んだようなセインツロウ2が現れた。
・ストーリー
先も言ったように、GTASAでもあったカラーギャングを題材とした成り上がりものである。
カラーギャングという言葉自体は日本の俗称で、日本では米国のストリートギャングを真似た劣化ギャングと言うか、元来の意味を理解していない
醤油HIPHOPというか、
東京生まれHIPHOP育ちで悪そうな奴は大体友達とか言ってるけどお前は単なる金持ちのボンボンだろうとか、要は
色付き愚連隊の事だが、実際はロサンゼルスに端を発した未成年の多いストリートギャングの事である。
現実のロスでは青のカラーを身にまとう
クリップスと赤をメインとした
ブラッドの2大ギャングが抗争を繰り広げており、特に車に乗ったまま敵のシマに乗り込み、すれ違いざまに銃を乱射する通称「ドライブバイ」と言う攻撃は多数の被害を出す為に恐れられている。
この辺りはゲームの様に笑えたりはしない、深刻な社会問題となっていたようだ。
セインツロウ2もそういったカラーギャングをモチーフにしたシナリオで、主人公は紫をチームカラーとしたギャング組織『サード・ストリート・セインツ』の一員となり、なりあがっていく。
続編であり、主人公も前作と同じではあるものの、単にそういった設定であるというだけで2から始めても全く問題はない。主人公も細かくカスタマイズできる。
前作のストーリーをネタバレ無しで一言で言うなら
『他のギャング勢力を全部潰して成り上がったけど色々あって落ちぶれて昏睡状態になった』と言う事だ。
今作はそんな主人公が数年ぶりに目を覚まし、1から成り上がって行こうじゃないか的な話なので
一見さんも安心である。
・カスタマイズ
最初に主人公の容貌その他を決めるのだが、これがオブリビオン並に細かい。否、もっと細かいであろう。頑張れば大抵の有名人の顔は作れてしまう。無論女子も作れ、頑張れば少なくともオブリビオンよりは遥かに、萌え的と言うか日本人好みの顔に作れるので、そういうのが好きな人にもバッチリである。
顔、体型、脂肪の量や筋肉の量は勿論、表情、歩行スタイル、格闘スタイル、挑発、敬意、声(男3種類、女3種類)等など、細かく選択する事が可能である。
また進行に合わせて服やアクセサリー、格闘スタイルやギャングスタイル(仲間ギャングの格好)等も増えていくようになる。
格闘スタイル等も、ものによっては
一般人にデスバレーボムを決めるようなマネもできるようになるので大変愉快である。
不満があるならば、身長が決められない所ぐらいであろうか。
・ミッション
ミッションはメインミッションとアクティビティに分かれており、メインミッションはメインストーリーに関わるもの、アクティビティは後述するがストーリーと全く関係ないサブミッションである。
メインミッションは1と同じく、自分が所属する紫のセインツ勢力を増やすべく、黄色、緑、赤の3大勢力と抗争していくと云った具合だ。
ひとつの勢力を攻略するのに15ほどのミッションをクリアすればよい。
これは例えば最初に黄色のみを攻略して黄色を潰すこともできるし、3つを平行して徐々に進める事も可能である。
ただしメインのミッションをプレイするにはリスペクトと呼ばれるゲージを1本消費する。リスペクトはアクティビティをプレイする事で主に貯まって行くので、進行の順番としては
アクティビティでリスペクトを溜める→メインミッションプレイ
の流れとなる。
なお前作では敵陣は黄、青、赤だったが今作は青の代わりに緑となり、加えて各色共に全く新しいチームに一新されている。
中でも黄色は『ローニン』(多分『浪人』からか)と呼ばれる、日本人ギャングの集団で、まっ黄色の服を着用し、
日本刀片手にバイクで疾走し斬りつけてくると言う、
正しく間違った日本人観を良く表していて大変よろしい。
所々日本語も入るのだが、
「ゼッタイこっちにクルナー」「お前をカタナのぅーサビのぅーしてやるゥー」と、これまた正しく間違った日本語なので大変よろしい。
・アクティビティ
シリアス(でもないが)なメインミッションに比べ、アクティビティは馬鹿路線全開のサブミッションである。各アクティビティはLv1からLv6まであり、無論Lvが上がるほど難しくなる。
その中の一部を紹介する。
正義の汚水
バキュームカーに乗り、汚水を撒き散らして
目標物を糞で塗り固める事によりミッションクリア。
保険金詐欺
特定ボタンを押すと体が倒れるモーションとなり、この倒れモーション中に車に轢かれるとお金がザクザク入るミッション。轢かれた時のスピード、吹き飛んだ距離、吹き飛んだ時間などによって得られる金額が変わる。一定金額を超えるとクリア。
ダッシュ中に倒れるとまさに車への飛び込みとなる。
このアクティビティは前作にもあったが、今回では
アドレナリンモードなるものが追加され、一定の轢かれ具合によりアドレナリンゲージがたまり、満タンになると発動する。
アドレナリンモード発動中は軽くトラックに轢かれるだけで
高層ビルを飛び越えかねない吹き飛び方をするので稼ぐチャンスである。
お手玉よろしく複数の車にボンボン跳ねられるとコンボとなり、金額も跳ね上がるので是非活用したい。
群集整理
有名人(セレブ)の護衛をする。セレブがファンの集まる場所に訪れサインをしたり握手をしたりする中、興奮してセレブに飛び掛るファンを始末するミッション。
ファンはバットで殴る等して殺してもいいのだが、各ステージに
レミングスよろしく『即死罠ゾーン』があり、そこに投げ飛ばすと金額が増える。
一定金額を超えるとクリア。
即死罠は、
警備員達に投げ込んで射殺してもらうものから、エンジン起動中のヘリに投げ込み、
プロペラに吸い込まれてミンチになる等、愉快なものが多い。
しかし後半のLv6ともなると、
興奮したファン達が一斉にマシンガンを乱射してくる等、このセレブはどれだけ嫌われてるんだと言いたくなる大暴動になるので処理も大変である。
・Coop
色々述べたが、このゲームにおいて最も楽しいのはやはりオンライン協力プレイことCoopである。
全てのミッション、全てのアクティビティを2人でこなす事ができ、各自自由に行動する事もできる。
購入して以来、友人とCoopばかり10時間を超え、毎晩寝不足である毎日だ。
基本的にソロプレイは、ソロであると同時に『Coop受付状態』となっており、進行中に勝手に誰かが入って来て、ひと暴れして帰って行く等と言う事も可能で、逆に自分が誰かのプレイ中に入って大暴れ、と云ったことも可能。愉快である。
しかし、やはり
放課後電磁波倶楽部は誰もが通る道であろう。